『叱って欲しい…』後輩が北海道に挑戦

兄貴肌

可愛いがってた後輩が、北海道へ行った話

今年の3月。
可愛がってた後輩が仕事を辞めた。

最近の若い子には珍しく、根性もあるし、仕事にも熱い。
しかも、昭和人間のオレみたいなんに懐いてくるという、なかなか希少種の後輩やった。

今の時代、ちょっと強めに言うたら「圧が…」とか「メンタルが…」とか言われる時代やのに、そいつは違った。

「アカン時は、ちゃんと言って欲しいんです」

そんなタイプ。

たぶん絶滅危惧種。
天然記念物レベル。

“怒られたい後輩”なんて、今どきおる?

部署が変わってからは、上司にも恵まれへんかったらしい。

怒られへん。
指導もされへん。
でも、褒められもしない。

つまり――無関心。

これ、実は一番キツい。

後輩がポツッと言うた。

「自分は、叱られたかったです。
 アカンことはキツく言われた方が良かった。
 でも今は、誰も何も言わないんです」

その言葉、なんか妙に刺さった。

昔みたいに、
“灰皿飛んでくる時代”が良いとは思わん。

でも、“本気で向き合う大人”は必要やと思う。

怒るんじゃなく、向き合う。
見放さへん。
期待してるから言う。

それって、案外愛情なんやと思う。

最後くらい、漢気見せたろと思った

3月には送別会を開いた。

「最後やし、ええもん食わせたろ」

そう思って、フグ料理をご馳走した。

後輩は「人生初です!」とか言いながら、
めちゃくちゃ嬉しそうな顔して食ってた。

その顔見てると、
「あぁ、連れて来て良かったな」って思う。

…まぁ、その横でオレは、
メニューの値段を見て静かに震えてたけど。

フグって、“高級魚”やなくて、
ほぼ“札束”やな。

でも、後輩の笑顔見たら、そんなもん安い――

……いや、やっぱり高い。

普通に高い。

二次会は中華。そして財布は瀕死

そのあと二次会で中華の店へ。

昔話して、アホみたいに笑って、
「あの時ヤバかったっすね!」とか言いながら盛り上がった。

仕事で怒鳴った話も、失敗した話も、今となれば全部ネタ。

結局、しんどかった時間ほど、後で酒のアテになる。

終始笑顔やった。

ほんま、ええ時間やった。

…ただな。

楽しい時間と反比例するように、
オレの財布はどんどん軽くなっていった。

気づけば会計時、財布の中が
“ダイエット成功後のボクサー”みたいになってた。

でもええねん。

後輩が笑って次の道に進めるなら、
それで十分や。

男の見栄と漢気は、時にクレジットカードを火傷させる。

引き留めたかった。でも、それは出来へんかった

本音を言えば、辞めて欲しくなかった。

また一緒に仕事したかったし、
あいつなら絶対もっと伸びると思ってた。

でも、毎日しんどそうな顔してる後輩を見てると、
「頑張れ」より「逃げろ」の方が正解な時もある。

せやから最後はこう伝えた。

「どこに行っても、心は一緒や。
 一緒に働けたことは、色褪せへん。
 ええ思い出と経験として、次に活かしていけよ」

…まぁ、ちょっとカッコつけすぎた気もする。

自分で言うてて、
“居酒屋で熱燗3本飲んだオッサン”みたいになってたけど。

でも、あれが本音やった。

北海道と近畿。距離は遠い。でも縁は切れへん

今後も連絡は取れる。
縁が切れるわけやない。

でも、北海道と近畿。

距離で言うたら、ほぼ日本縦断。

気軽に「飲みに行くぞ」が出来へん距離になってもうた。

寂しいもんやな。

歳取ると涙もろくなるって聞いてたけど、
最近それ、ガチで実感してる。

テレビの大家族特集でも危ない。

でもな。

人生って、結局“誰と出会えたか”やと思う。

一緒に汗かいて、怒って、笑って、しんどい仕事乗り越えた奴って、何年経っても特別や。

北海道でも、お前らしく頑張れ。

もし辛くなったら、また連絡してこい。

説教なら、今でもいくらでもしてやる。

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